1972年

はかり屋☆の息子

2006年04月08日 14:34



何度かこのブログに思い出を書いている1972年は、
日本のロック史における記念すべき年になるはずでした。
なぜなら、あのローリング・ストーンズが初来日を果たすはずだったからです。

結果、チケットが発売されるとことまでいったものの、来日中止。
ロックファンの落胆と失望が大きかったことは言うまでもありませんが、
実のところ、ほとんどのファンは「やっぱり…」という思いとともに
中止のニュースを聞いたというのが本当のところです。

いくらチケットが発売されたとはいえ、それでもまだ、
ほとんどのファンはストーンズの初来日に半信半疑だったからです。
来日中止の理由は、彼らの都合ではありませんでした。
日本政府が、いけないお薬を持っていたりして、
何度も捜査当局のご厄介になったいわゆる「前科者」の彼らの
入国を認めなかったからです。

実際、キースが最後にカナダで逮捕されたのは、
この年から6年後。彼らはまだ、「現役」のアウトローでした。

日本政府がそんな彼らの来日を認めるはずはなく、
そうした事情は多くのファンも知るところであり、
それが上述の「半信半疑」の理由になっていました。

結局、ストーンズが初めて日本に来たのは1990年。
18年の歳月がかかりました。
それも、いまやナイトの称号を贈られた紳士、ミック・ジャガーの公演をまず日本でやって、
地ならしをし、問題がないことをご当局にもご理解いただいた上で、
その後にストーンズ本体ご一行さまの来日を実現するという、
周到な手順を踏んだ上ででした。

今年の彼らの来日は3年ぶり、5回目。
私がロック少年だった1972年を振り返ると、
この事実だけでも隔世の感があります。

1972年の彼らを見れなかったのは本当に残念なことでしたが、
恐らく72年当時とそのパワフルさで何ら変わることがない
彼らの超人的なステージを見て、
30年余の歳月がぶっとんでしまいました。

ストーンズ公演以降、ロック少年にタイムスリップしたままです。

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